夫を殺した犯人と接吻させられる妻。中世ヨーロッパの残酷な「和解の儀式」| 《和解の接吻》ピーテル・ヤン・ファン・デル・ウデラー #美術 #アート
もしそれが「和解」の名の下に行われていたとしたら、あなたはどう感じるでしょうか。
今回ご紹介するのは、19世紀ベルギーの画家ピーテル・ヤン・ファン・デル・ウデラーによる作品
《和解の接吻(De Verzoeningskus / The Kiss of Peace)》です。
一見すると、男女が抱き合う劇的な場面に見えるこの絵。
しかし多くの研究者は、この場面が中世ヨーロッパに存在したとされる
「和解の接吻(Osculum Pacis)」という慣習を表している可能性を指摘しています。
当時の社会では、殺人などの深刻な争いであっても、
加害者と被害者の一族のあいだで賠償と和解が成立すれば、
争いが終結することがありました。
その象徴的な行為として交わされたのが「平和の接吻」です。
しかし、この絵の女性の表情は、
とても「平和」や「和解」とは呼べないほど重い緊張を漂わせています。
もし彼女が、愛する人を奪った相手と和解する瞬間を描いているのだとすれば――
それはどれほど残酷な儀式だったのでしょうか。
この作品は、
「和解とは何か」
「正義とは誰のためのものなのか」
そんな問いを、150年以上経った今も静かに投げかけ続けています。
《和解の接吻(The Kiss of Peace / De Verzoeningskus)》
作者:ピーテル・ヤン・ファン・デル・ウデラー
制作年:1876年
所蔵:アントワープ王立美術館(ベルギー)
もしこの作品を見て何か感じるものがあれば、
ぜひコメントであなたの考えを聞かせてください。
















