“お残し禁止”も食べきれず、走り去る客も…飲食業界が打ち出す「食べ残し防止アイデア」の効果【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
■ユニークな「食べ残し」対策 完食した子どもに“表彰状”
熊崎風斗キャスター:
しゃぶしゃぶ食べ放題の「しゃぶ葉」では、「こまめどりプロジェクト」という取り組みを行っています。
“食べ残しゼロ”の写真を撮影し、会計時にその写真を見せると、ドリンクバー券がもらえるというものです。
他の社も、こんな取り組みをおこなっています。全国で332店舗あるハンバーグレストラン「びっくりドンキー」では、子どもが残さず食べるよう「もぐチャレ」という“完食応援イベント”をおこなっています。
小学生以下の子どもが対象で、頼んだ料理を残さず食べると「表彰状」をもらうことができ、2回完食すると次回デザートをプレゼントしてもらえます。びっくりドンキーの担当者は「年間45万人に利用していただきとても好評です」と話していました。
「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
私は農家の娘で、「残すな」と言われて育ってきたので、今でもやっぱり残すことに心的ハードルあります。小さいときにこういうことをやっておくと、大人になったときに無意識にちゃんと食べ切る、みたいなことありそうだなと思います。
ホラン千秋キャスター:
「自分の食べられる限界」を早めに知っておく、というのも大事ですよね。
■食べきれなかったら“1万円没収”?ラーメン店の対策
熊崎キャスター:
大阪府吹田市にある「ラーメン工藤」では、麺500g(約5人前)の「大ラーメン(980円)」には“お残し禁止”というルールがあります。しかし、約2年前に味や量を説明し、了承して注文した客が食べきれなくなり走り去るという一件がありました。
店主は「いたずら半分で注文やめてほしい」と、お残し防止対策として券売機に「大ラーメン食券購入の方は1万円ご用意ください」という注意書きを貼り、食べる前に1万円をお店に預け、食べきることができたら1万円を返却、食べきれなかったら没収、という取り組みをおこなっています。
ラーメン工藤の店主は「お客さんみんなにお腹いっぱいになってもらいたいので、小〜大サイズを料金一律で提供している。お互い了承した上で大ラーメンを提供するので、“1万円預かり”のルールに反発する客はいない」と話していて、この2年間で約100人の新規客が注文しましたが“没収”は2件、つまり食べきれなかった客は2人と、皆さんちゃんと食べきっているということでした。
■自治体が考案!「3010運動」で食品ロス減少
長野県松本市が考案した「残さず食べよう!3010運動」で、食品ロス削減に成功しました。
飲み会や宴会などで「乾杯後の30分、お開き前の10分を自分の席で食事に集中する」という取り組みで、宴会の幹事が呼びかけることもあるそうです。
長野県は宴会開始後すぐにお酌に回る文化があり、なかなか食事を取ることの出来ない時間帯が多い、ということで取り組みを実施。
この取り組みの影響もあり、松本市の食品ロス年間発生量が▼2016年には1万349トンありましたが、▼2021年は9084トンと1265トン減少したということで、食品ロス削減成功の効果の一因となっています。
井上貴博キャスター:
今考えると、確かに宴会は食べ残しがつきものですね。
秋元里奈さん:
この取り組みは私も教えてもらってやっていますが、すごく良いなと思います。
もう1つ提案したいのが「最後に食べた人が一番偉い」。日本人ならではの“最後1個だけ全部残ってる”ものを「最後1個食べた人が優勝」みたいな雰囲気になるといいなって思います。
ホランキャスター:
確かに「絶対食べたいはずなのに、なんか遠慮して」というのも勿体ないですもんね。
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